後遺症(後遺障害)の損害賠償請求を行ないたい方へ

1 交通事故により後遺症が残ってしまった方へ

後遺障害)の損害賠償請求自賠責保険における後遺障害の等級認定実務は、自賠法第16条の三に基づき、「自動車損害賠償責任保険の保険金及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」により、原則として労働者災害補償保険における障害の等級認定の基準に準じて行うと定められており、この認定基準上、「負傷又は疾病(以下「傷病」という。)が治ったときに残存する当該傷病と相当因果関係を有し、かつ、将来においても回復が困難と見込まれる精神的又は身体的なき損状態であって、その存在が医学的に認められ、労働能力の喪失を伴うもの」を後遺障害の対象とする旨が規定されています。

自賠責保険における後遺障害等級は1級から14級までありますが、いずれかの等級が認定された場合には、将来にわたって得られるはずであった収入の減少に関する損害(逸失利益)と、後遺症による精神的苦痛の代償である慰謝料を請求することができます。

 

2 後遺障害による逸失利益について

逸失利益の算定は、労働能力の低下の程度、収入の変化、将来の昇進・転職・失業等の不利益の可能性、日常生活の不便等を考慮して行うとされていますが、基本的には、以下のとおり、定型的な計算方法に基づいて行われます。

逸失利益
=基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

 

基礎収入

原則として事故前の現実収入を基礎とします。

将来、現実収入額以上の収入を得られる可能性が高い場合には、その金額が基礎収入となります。

家事従事者の場合は女性労働者の全年齢平均の賃金額を基礎とします。

 

労働能力喪失率

労働能力の低下の程度については、労働省労働基準局長通牒(昭和32.7.2基発第551号)別表労働能力喪失表において、以下のとおり、定められており、これが基準となります。

介護を要する後遺障害
等 級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
後 遺 障 害
等 級 労働能力喪失率
1級 100%
2級 100%
3級 100%
4級 92%
5級 79%
6級 67%
7級 56%
8級 45%
9級 35%
10級 27%
11級 20%
12級 14%
13級 9%
14級 5%

 

労働能力喪失期間

労働能力喪失期間の始期は症状固定日で、終期は原則として67歳です。症状固定時の年齢が67歳を超える方については、原則として簡易生命表の平均余命の2分の1が労働能力喪失期間となります。

 

ライプニッツ係数

ライプニッツ係数とは、将来受け取るはずであった収入を示談成立後に一括(前倒し)で受け取るため、将来の収入時までに発生する年5%の利息を複利で差し引く係数のことをいいます。
係数の数字は、労働能力喪失期間に応じて具体的に定めらており、例えば、労働能力喪失期間5年に対応するライプニッツ係数は4.3295であり、10年に対応する係数は、7.7217、20年に対応する係数は、12.4622となっています。

 

3 後遺障害慰謝料

後遺障害の慰謝料は、後遺障害の等級に応じて決まります。

自賠責保険基準、任意保険基準、裁判基準(弁護士基準)といった基準額がありますが、ここでは、裁判基準(弁護士基準)をご紹介します(参考文献:「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」日弁連交通事故相談センター東京支部発行)。

保険会社から提示された賠償額が、下記金額に比べて少ない場合は、その分だけ交渉により増額する余地があるということになりますので、まずは、当事務所の無料法律相談をご利用ください。

後 遺 障 害 裁 判 基 準
1級 2800万円
2級 2370万円
3級 1990万円
4級 1670万円
5級 1400万円
6級 1180万円
7級 1000万円
8級 830万円
9級 690万円
10級 550万円
11級 420万円
12級 290万円
13級 180万円
14級 110万円

 

4 現在治療中の方へ(後遺障害申請を検討されている方へ)

交通事故に強い弁護士症状固定後も痛みなどの症状が残っている場合は、後遺障害申請を行う必要があります。後遺障害の申請には、相手方の保険会社に一任して行う方法(事前認定)と、被害者自らが自賠責保険会社に申請する方法(被害者請求)の2つの方法があります.

当事務所では、通常、必要な証拠資料を整えた上で、中立かつ透明性のある被害者請求の方法で後遺障害申請を行っています。

後遺障害申請を検討されている方は、是非一度当事務所までご連絡ください。

 

5 後遺障害の申請結果(非該当など)に納得がいかない方へ

後遺障害は、1級から14級まで存在し、さらに各等級には細かな類型があります。

当事務所にご依頼いただければ、まずは、後遺障害の申請結果が妥当であるか否かを精査します。

その結果、従前の結果を覆すことができると考えられる場合には、異議申立ての手続をとることも可能です。

特に、半年以上通院したにもかかわらず、後遺障害等級非該当の結論が出ている方は注意が必要です。

後遺障害の申請結果に納得がいかない方は、まずは、当事務所の無料法律相談をご利用ください。

 

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